3Dプリンターのサポート材設定方法・密度と角度の目安を解説

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この記事のポイント

3Dプリンターのサポート材設定はオーバーハング角度45度・密度15〜25%・Z距離0.2mm前後・インターフェース層33〜50%を起点に、造形物の形状とスライサーソフトに応じて調整することで除去しやすく仕上がりの良い造形を実現できる。

3Dプリンターのサポート材設定方法・密度と角度の目安を解説

「3Dプリンターでサポート材を設定しているのに、除去しづらかったり造形物の表面が荒れてしまう。密度や角度をどう決めればいいのか分からない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • サポート材設定の基本パラメータ
  • 角度と密度の最適化方法
  • スライサーソフト別の設定の違い

3Dプリンターのサポート材設定は、オーバーハング角度・密度・Z距離・インターフェース層という主要パラメータの役割を理解し、造形物の形状に合わせて数値を調整することで安定します。

本記事を読めば、スライサーソフト上でどの項目をどの順番で調整すればよいかが分かり、除去しやすく仕上がりのきれいなサポート材設定にたどり着けます。ここから順番に見ていきましょう。

3Dプリンターのサポート材設定で押さえるべき基本パラメータ

3Dプリンターでサポート材を設定する際は、オーバーハング角度・密度・Z距離・インターフェース層という4つのパラメータを理解することが出発点です。日頃の3dプリンターのメンテナンスが適切に行われていることを前提として、これらのパラメータを調整する必要があります。意味を把握せずに数値だけ真似すると、造形物ごとの形状差に対応できず失敗を繰り返します。まずは各パラメータが何を制御しているのかを整理します。

オーバーハング角度のしきい値

オーバーハング角度は、サポート材を自動生成するかどうかをスライサーソフトが判断する基準です。一般的なFDM方式では45度が目安とされ、この角度を超える傾斜面にサポートが付与されます。

機種やフィラメントの種類によって最適な角度は変わるため、45度を基準にしつつ造形結果を見ながら30〜60度の範囲で微調整するのが実践的です。細部の多いモデルはしきい値を60度程度に上げてサポートを増やし、単純な形状は30度程度に下げて材料使用量を抑えられます。しきい値を下げて不要なサポートを減らすことは、造形後の3dプリンターのサポート材除去作業をスムーズにするためにも効果的です。

サポート密度

サポート密度は、サポート材内部を埋める充填率を指すパラメータです。一般的な目安は15〜25%で、Cura・Bambu Studioともにこの範囲がデフォルトの調整幅として使われています。

密度を高くするとサポートの強度が上がり、大きなオーバーハングを安定して支えられます。ただし除去の手間が増えるほか、3dプリンターのノズルの移動距離や吐出量が増えて印刷時間も長くなるため、造形物の重さや突き出し量に応じて必要最小限의 密度に留めることがポイントです。

密度の目安用途
10〜15%小型モデル、除去のしやすさ重視
15〜25%一般的な造形物の標準設定
25%以上大きなオーバーハング、強度重視

サポートZ距離

サポートZ距離は、造形物とサポート材の間に設ける隙間の大きさです。0.1〜0.2mm程度に設定するのが一般的で、この隙間がサポートの剥がしやすさと表面品質のバランスを左右します。

Z距離を大きくするほどサポートは剥がしやすくなりますが、造形物側にわずかな跡が残りやすくなります。逆にZ距離を極端に小さくすると仕上がりはきれいになる一方、サポートが密着して除去しづらくなったり、フィラメントの吐出圧が高まって3dプリンターのノズル詰まりを引き起こしたりするリスクがあります。

インターフェース層

インターフェース層は、造形物とサポート材の間に生成される高密度の層です。この層があることで接触面が整い、サポート跡の荒れを抑えられます。

インターフェース層を有効にしたうえで、密度をデフォルトの100%から33〜50%程度に下げると、接触面積が減って除去しやすくなります。大前提としてベースプレート上で3dプリンターの造形物が定着しないという問題がないよう土台を安定させ、そのうえでこの設定を見直すのが、仕上がりの美しさと除去のしやすさを両立するコツです。

サポート角度と密度を造形物に合わせて最適化する方法

3Dプリンターのサポート材設定は、基本パラメータの意味を理解したうえで造形物の形状に合わせて調整する段階に進みます。同じ数値をすべての造形物に当てはめるのではなく、モデルの構造ごとに角度・密度・サポートタイプを見直すことが仕上がりを左右します。

モデル形状から必要な角度を見極める

複雑で細部の多いモデルは、オーバーハングのしきい値を60度前後まで上げてサポートを増やし、傾斜面が壊れやすい細い部品や薄肉形状で特に有効です。

反対に、単純な形状や大きな平面が多いモデルはしきい値を30度程度まで下げられます。サポート材の使用量を抑えられるため、材料費と造形時間の両方を節約できます。

モデルの傾向推奨しきい値狙い
複雑・薄肉・繊細な形状60度前後破損防止、精度重視
一般的な形状45度前後標準バランス
単純・大型の形状30度前後材料削減、時間短縮

仕上げと強度のバランスで密度を決める

サポート密度は、上げるほど強度が増す一方、造形物との接触面積も広がり除去の手間が増えるというトレードオフがあります。大きなオーバーハングを支える必要がある場合は25%以上に設定し、サポート自体がたわまないようにします。

仕上がりの美しさや除去のしやすさを優先する場合は、密度を10〜15%程度まで下げます。サポート跡が目立つと感じたときは、まず密度を下げてから接触面の状態を確認する手順がおすすめです。

ツリーサポートとノーマルサポートを使い分ける

ノーマルサポートは格子状に組まれた構造で、造形物をしっかり支える安定性に優れています。大型モデルや強度を最優先したい造形物に向いています。

ツリーサポートとノーマルサポートは木の枝のように分岐しながら必要な箇所だけを支える構造です。モデルとの接触面が少ないため除去が簡単で、材料の使用量も抑えられますが、細く尖った枝が振動で折れやすい点には注意が必要です。安定性を重視するならノーマルサポート、除去のしやすさや材料削減を重視するならツリーサポートを選ぶとよいでしょう。

サポートZ距離とインターフェース層の設定手順

サポートZ距離とインターフェース層は、除去のしやすさと接触面の仕上がりを同時に調整できるパラメータです。ここでは実際にスライサーソフト上で数値を変更していく手順を紹介します。

Z距離を調整して剥がしやすさを変える

最初は初期値の0.2mm程度でプリントし、仕上がりを確認します。サポートが外しにくいと感じた場合は、0.22mmや0.24mmのように少しずつ数値を上げて再テストします。

Z距離を広げるほどサポートは剥がしやすくなりますが、造形物側にわずかな跡が残りやすくなる点は理解しておく必要があります。レイヤー高さの1〜1.5倍程度を目安に調整すると、剥がしやすさと表面品質のバランスが取りやすくなります。

インターフェース層で接触面の仕上がりを整える

インターフェース層を有効にしたうえで、上部レイヤー数を2〜3層に設定します。パターンはグリッドを選ぶと、強度と剥がしやすさのバランスが取りやすくなります。

密度はデフォルトの100%から33〜50%程度まで下げます。接触面積が減ることで、サポートを外す際にモデル表面が荒れにくくなり、指で軽く外せる状態に近づきます。

設定変更後はテストプリントで確認する

パラメータは一度に複数変更せず、1項目ずつ変えてテストプリントすることが重要です。どの設定が結果に影響したのかが分からなくなり、次の調整に活かせなくなるためです。

調整ステップ変更する項目確認するポイント
1回目Z距離のみ剥がしやすさと跡の目立ち方
2回目インターフェース密度のみ接触面の荒れ具合
3回目上部レイヤー数のみ表面の平滑さ

このように1回ずつ変数を切り分けて検証すれば、自分の造形環境に合った最適な数値へ効率よくたどり着けます。

スライサーソフト別のサポート材設定の違い

サポート材の設定項目は、使用するスライサーソフトによって名称や初期値が異なります。ここでは代表的な3つのソフトについて、主な設定項目の違いを整理します。

Curaのサポート設定

Curaはオーバーハングしきい値45〜55度、サポート密度15〜20%が基本設定として使われています。加えてサポートZ距離(上)0.2mm、サポート水平拡張0.8mmを設定し、サポートインターフェースを有効化するのが標準的な組み合わせです。

Cura5系以降はツリーサポートも安定して利用でき、サポート構造の項目でノーマルからツリーに切り替えるだけで接触面積を減らせます。

Bambu Studioのサポート設定

Bambu Studioはオーバーハングしきい値45度、サポート密度15〜25%、サポートZ距離0.2mm(PLA基準)が基本の目安です。サポートタイプはノーマルとツリーから造形物の形状に合わせて選択します。

インターフェース層は2〜3層が推奨されており、サポート用フィラメントを使う場合はSupport/raft interfaceの材料を専用のサポート用素材に変更すると、境界面の色が変わって除去しやすくなります。

PrusaSlicerのサポート設定

PrusaSlicerはオーバーハングしきい値を90度からの角度で指定する方式で、値を小さくするほどサポートの生成量が減ります。Z距離は積層高さの50〜75%程度が目安とされ、他ソフトのミリ単位指定とは考え方が異なります。

サポートスタイルはグリッドとスナグの2種類があり、グリッドは安定性が高く、スナグはサポート領域が広がりにくいという特徴があります。密度はライン間隔の設定で調整し、間隔を広げるほど除去しやすくなります。

スライサーしきい値の目安密度の目安Z距離の目安
Cura45〜55度15〜20%0.2mm
Bambu Studio45度15〜25%0.2mm
PrusaSlicer角度指定は逆基準(値を小さくするほど増加)ライン間隔で調整積層高さの50〜75%

同じ「サポート材の設定」でも項目名や基準の取り方が異なるため、使用するソフトの操作画面で用語を確認しながら数値を当てはめることが失敗を防ぐコツです。

まとめ:3Dプリンターのサポート材設定は密度・角度・Z距離を押さえれば安定する

本記事では3Dプリンターのサポート材設定について、オーバーハング角度・密度・Z距離・インターフェース層という基本パラメータの意味から、造形物に合わせた最適化の方法、スライサーソフト別の設定の違いまで解説しました。

この記事で紹介した内容をおさらいします。

本記事のポイント

  • サポート材設定はオーバーハング角度・密度・Z距離・インターフェース層の理解から始まる
  • モデル形状や仕上げ・強度の優先度に応じて数値を調整する
  • スライサーソフトごとに項目名と基準が異なるため操作画面で確認する

紹介した手順を実践すれば、サポート材が原因の除去しづらさや表面の荒れといった悩みを解消でき、狙い通りの品質で3Dプリントを仕上げられるようになります。

サポート材の設定でお困りの際や本格的な3Dプリント活用をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

3Dプリンターのサポート材設定に関するよくある質問

参考文献

  1. サポート材 | Prusa Knowledge Base
  2. サポート材 | Bambu Lab Wiki
  3. UltiMaker Cura - Support settings

執筆者

3D With 編集部
3D With 編集部

編集部

3D With編集部は、3Dプリンティング・アディティブマニュファクチャリング(AM)業界の最新ニュース、技術解説、市場動向、製品情報をわかりやすく発信する専門編集チームです。国内外の信頼できる情報をもとに、製造業の意思決定に役立つコンテンツを提供しています。

監修者

3D Withリサーチチーム
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リサーチチーム

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