3Dプリントサービスの金属対応・価格相場と選び方を徹底解説

導入

この記事のポイント

金属3Dプリントサービスはチタンやステンレス、アルミニウムなど複数の金属材料に対応します。価格は材料費・造形費・後加工費の合計で決まり、対応材料や納期、品質保証体制を比較して選ぶことが重要です。

3Dプリントサービスの金属対応・価格相場と選び方を徹底解説

「自社に設備がなく、金属3Dプリントサービスに試作や小ロット部品の製造を依頼したい。価格や納期だけでなく、品質まで踏まえてどう選べばいいのか知りたい」。こうした声はよく聞かれます。

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 金属3Dプリントサービスの仕組みと対応材料
  • 価格が決まる要因とサイズ別の目安
  • 失敗しない依頼先の選び方と発注の流れ

金属3Dプリントサービスは、比較の軸さえ押さえれば、価格や納期だけでなく仕上がりまで含めて安心して依頼できます。

後加工や品質保証体制まで踏まえた選び方を知れば、初めての発注でも迷いません。ぜひ最後まで読み進めてください。

金属3Dプリントサービスとは

金属3Dプリントサービスとは、金属3Dプリンターによる造形を外部の受託企業に依頼できる3Dプリントサービスの一種です。自社に設備がなくても、複雑な形状の試作品や小ロットの金属部品を製造できます。ここでは仕組みとメリット・デメリットを整理します。

金属3Dプリントの仕組みと造形方式

金属3Dプリントの主流は、金属粉末を薄く敷き詰めてレーザーや電子ビームで溶かし固めるPBF方式です。熱源の違いによって、レーザーを使うSLMやDMLS、電子ビームを使うEBMなどに分類されます。

SLMでは金属粉末が酸化すると造形品質が落ちるため、装置内をアルゴンなどの不活性ガスで満たし、酸素濃度を下げながら1層ずつ積層します。方式ごとに得意な材料や精度が異なるため、依頼先の対応方式を確認しておくと安心です。

金属3Dプリントサービスを使うメリット

金属3Dプリントサービスには、従来の切削加工や鋳造にはない利点があります。

  • 複雑な形状や中空構造を、金型や刃物を使わずに造形できる
  • 不要な部分を除いた設計にできるため、部品を軽量化しやすい
  • 削り出しで生じる切粉のような材料ロスが少なく、経済的に優れる

設備投資をせずに高精度な金属部品を製造できる点も大きな魅力です。試作から少量生産まで、必要なときだけ活用できます。

金属3Dプリントサービスのデメリット

一方で、金属3Dプリントサービスには注意すべき点もあります。寸法精度や表面の滑らかさは、切削加工のほうが優れる場合が多いです。

造形費用や材料費が比較的高く、量産では従来工法よりコストメリットが出にくいこともあります。サポート材の除去や熱処理、表面仕上げといった後加工が必要になる点もふまえ、用途に合うかどうかを見極めることが大切です。

金属3Dプリントサービスの対応材料と価格の目安

金属3Dプリントサービスを選ぶうえで欠かせないのが、対応材料と価格の把握です。ここでは主な材料の特徴と、価格が決まる要因、サイズ別の目安を紹介します。

対応できる主な金属材料

金属3Dプリントサービスでは、用途に合わせて複数の金属材料から選べます。

材料特徴
チタン軽くて強く、比重は鉄の約60%。耐食性が高く、航空機や医療分野で使われる
ステンレス鉄にクロムやニッケルを加えた合金。耐食性と耐熱性に優れる
アルミニウム比重が鉄の約3分の1と軽量で、熱伝導率が高い
コバルトクロム耐久性が高く、医療用インプラントなどにも使われる

用途や求める強度、耐食性に応じて材料を選ぶことで、狙った性能の部品を製造できます。

価格が決まる要因

金属3Dプリントサービスの価格は、3Dプリンターに依頼する際の材料費と造形費、後加工費の合計で決まります。造形品の体積や高さ、要求精度に加え、設備費用や人件費を含むチャージ金額がベースになります。

  • サポート材の除去やベースプレートの切断
  • 熱処理やバレル研磨などの表面仕上げ
  • 材料の種類による単価の違い

これらの工程が加わるほど費用は上がるため、必要な後加工を事前に整理しておくと見積もりの比較がしやすくなります。

サイズ別の価格相場

金属3Dプリントサービスの費用は、造形物のサイズによって大きく変わります。最低造形費として4,000円から10,000円程度が設定されているサービスが多く、小型部品であればこの範囲で収まることもあります。

一方、3Dプリンターで大型の出力サービスを利用して造形物を作るとなると数十万円を超えることも珍しくありません。後加工を1工程加えるごとに、3,000円から15,000円ほどの追加費用がかかる点もふまえて見積もりを比較すると安心です。

金属3Dプリントサービスの選び方

各社の3Dプリントサービスを比較する際、対応材料やサイズ、サポート体制は大きく異なります。ここでは失敗しないために確認しておきたい4つのポイントを紹介します。

対応材料と造形サイズを確認する

まず確認したいのが、依頼したい材料と造形サイズに対応しているかどうかです。チタンやステンレス、アルミニウムなど扱える材料は会社ごとに異なります。

チタンやステンレス、アルミニウムなど扱える材料は会社ごとに異なり、国内大手のdmm.makeや、グローバル展開するjlc3dpといった主要なサービスでも対応状況が分かれます。大型の部品を検討している場合は、最大造形サイズもあわせて確認しておきましょう。サイズを満たせない場合は、部品を分割して造形する方法もあります。

納期対応力を確認する

試作段階では、短納期での対応力も重要な判断材料になります。造形から発送まで最短翌日というスピード対応のサービスもあります。

見積もりや問い合わせの段階で、正確な納期を提示してもらい、発注前にすり合わせておくことが大切です。

後加工の対応範囲を確認する

金属3Dプリントは、造形しただけで完成する部品は多くありません。サポート材の除去や熱処理、表面仕上げなど、後加工まで一貫して対応できるかを確認しましょう。

  • サポート材除去や熱処理に対応しているか
  • 表面仕上げや切削などの2次加工に対応しているか
  • 検査や測定まで一貫して任せられるか

後加工まで任せられる会社を選べば、納期の短縮や自社の工数削減につながります。

品質保証体制や認証の有無を確認する

品質を重視する部品では、品質保証体制や第三者認証の有無も確認しておきたいポイントです。積層造形に特化したISO/ASTM 52920などの認証は、適切な品質保証体制が整っている証になります。

取引先によっては、こうした規格認証の取得が条件になる場合もあります。自社の用途に見合った信頼性を備えた会社を選ぶようにしましょう。

金属3Dプリントサービスの依頼から納品までの流れ

金属3Dプリントサービスは、依頼から納品までの流れを把握しておくとスムーズに進められます。ここでは代表的な4つのステップを紹介します。

①:データを準備し見積もりを依頼する

はじめに、造形したい部品の3Dデータを準備します。STL形式が最も一般的で、多くのサービスがこの形式に対応しています。

データを専用フォームからアップロードし、素材や仕上げオプションを選択すると、自動または担当者による見積もりを受け取れます。

②:データと見積もり内容を確認する

見積もりとあわせて、データが造形可能な形状かどうかの評価が行われます。壁の厚みや形状によっては、造形前に修正が必要になる場合もあります。

見積金額には、材料費や造形費に加え、サポート除去や熱処理などの後加工費が含まれることもあるため、内訳まで確認しておくと安心です。

③:発注し造形・後加工を進める

見積もり内容に納得したら、正式に発注します。発注後は、選んだ材料と造形方式で部品が製造されます。

造形が終わると、サポート材の除去や熱処理、表面仕上げといった後加工が必要に応じて行われます。後加工まで一貫対応してもらえると、やり取りの手間を減らせます。

④:検査を経て受け取る

造形と後加工が完了した部品は、寸法や仕上がりの検査を経てから発送されます。サービスによっては、造形から発送まで最短翌日というスピード対応もあります。

依頼から納品までオンラインで完結できるサービスも多く、自社に設備がなくても手軽に金属部品を手に入れられます。

まとめ:金属3Dプリントサービスは比較して選ぶのが近道

本記事では、金属3Dプリントサービスの仕組みや対応材料、価格の目安、選び方、依頼から納品までの流れを解説しました。対応材料や造形サイズ、後加工の範囲、品質保証体制まで比較すれば、自社に合うサービスを見つけやすくなります。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 金属3Dプリントサービスは設備がなくても複雑な形状の部品を製造できる
  • 価格は材料費・造形費・後加工費の合計で決まる
  • 対応材料や納期、品質保証体制まで比較して依頼先を選ぶ

比較の軸を押さえておけば、価格や納期だけでなく仕上がりまで含めて安心して依頼できます。試作や小ロット製造の悩みも、信頼できる依頼先を見つけることで解消できます。

金属3Dプリントサービスの活用でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。

金属3Dプリントサービスに関するよくある質問

参考文献

  1. ISO「ISO/ASTM 52920:2023 Additive manufacturing — Qualification principles」
  2. 経済産業省「金属積層造形の普及拡大・活用促進に向けた検討会」
  3. NEDO「高速・高精度の電子ビーム金属3Dプリンター」

執筆者

3D With 編集部
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編集部

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監修者

3D Withリサーチチーム
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リサーチチーム

3D Withリサーチチームは、3Dプリンティング・アディティブマニュファクチャリング(AM)分野の技術情報、市場動向、製品データ、国内外の公開情報を調査・検証する専門チームです。信頼性・正確性を重視し、公開前のコンテンツを専門的な視点から監修しています。

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